Travis Japanの引力

 

このブログではTravis Japanを好きになって3ヶ月の新米ファンが「Travis Japan Debut Concert 2023 THE SHOW 〜ただいま、おかえり〜 」本編を鑑賞し、その感想をつらつらと書いていく+沼落ち経緯の一部をお話するブログです。ライブの感想と沼落ちは分けて書くべきか迷ったのですが、ライブの感想が沼落ちの裏付けにもなっていると思ったのでまとめて書きました。ということで1万字超えの大ボリュームで失礼いたします。本当に本当にお時間ある時にどうぞ……!

 

また、Travis Japanは歴史の長いグループですのでファン歴3ヶ月の私はまだまだ知らないことだらけではあるのですが、現在の自分の感性で言葉に残しておきたいと思い、書き進めました。逆に言えばこれだけ新米ファンの私でもこの文章量の感想を書けてしまうほど、事前知識無しで楽しめてしまうグループだと思うと彼らの魅力は末恐ろしいですね。

 

前置きはこれくらいでコンサートの感想に移ります。沼落ちブログだけを読みたい!という方いらっしゃいましたら、目次から「なぜ Travis Japan に惹かれたのか」に飛んでみてください〜!

 

 

THE SHOW 感想

 

(もしかしたらいらっしゃるかもしれない)ブログを読んでくれている非トラジャ担の方へ。Digest Movieです。

 

 

 

 

OP


カラフルにきらめくミラーボール。ショーテイストでワクワクする。最初に言っておくと、個人的に疑似恋愛(それも異性愛を前提としたもの)要素の強いコンテンツがあまり好みではないので、これから始まる時間もこんな感じで進んでいくのかな、と少しほっとしてしまう。


1. The Show


空中リムジン+ブラックファーお衣装で登場。この演出が似合っちゃうのすごい。

 

宮近さんの「ただいま」に痺れる。というか、この公演の第一声が「ただいま」なのいいなぁ。全てはそこからスタートなんだね、となる。

七五三掛さんの煽りも新鮮でよい。(YouTubeで見る限り割とぽやぽやフラットなイメージが強かったので、何かしら強めの感情が垣間見えるとドキッとする)

 

バックの映像ではアメリカの煌びやかな景色のようなものが映し出されている。これらの場所と共に生きてきた彼らがまたここ(日本)でステージに立ててよかったなぁと新米ファンながら想いを馳せる。

 

それにしてもThe Showの歌詞はライブで映える。会場のボルテージを上げてくれて、1曲目にぴったり。 

 

 

2. PARTY UP LIKE CRAZY

 

ファー衣装を脱ぎ、スマートなタキシード姿で本公演初のダンスパフォーマンスが始まる。The Showと対比するようにバックの映像は東京の街へと切り替わる。

 

この曲はAGT(America's Got Talent)のセミファイナルで披露した曲でもあって。たった1年されど1年で素人目にも分かる変化を魅せること、きっとあの日からたゆまぬ努力を続けたからこその"今"があって。ファンになって間もないので、さまざまな歴史を学びながら今回のセットリストを受け取ることができて嬉しい。

 

LAという地はグループにチャンスやきっかけをくれたけれど、どこにいても彼らが集まればそこがステージになってしまう。エンターテイナーだ… (次曲のJUST DANCE!につながる)

 

 

3. JUST DANCE!


1曲目〜3曲目まで、個人的には前に書いたようなストーリー性を感じて好きなセットリスト。カラフルスーツも好きだけど、タキシードでビシっと締めるスタイリッシュなJUST DANCE! は彼らの動きを際立てるようで、見ていてドキドキしする…!


最後はインスト流しながら一人ひとり軽めの自己紹介。自己紹介してる人以外も踊り続けてるのとってもおしゃれー!7人全員Unique Tigerで非常に良かったのですが、如恵留さんの「会いたかったよー!」「のえるだよー!」のくしゃっとした笑顔と、宮近さんの「お上手」が特にグッときた。ファンをドキッとさせるためのアプローチってこういうのもあるんですね…。あと、中村海人さんのふにゃ笑顔、あれはずるいな〜(22に頭抱えるタイプなので…)

 

 

 

〈 ACT1 : Hollywood 〉

 

Put on a Happy Face  [ 少年隊 instrumental ]


ここ本当にカッコ良すぎる!!!夢ハリ始まるまでの流れ最高過ぎてエンドレスリピート。

 

赤ベロアスーツを着て、一人ノールックで階段を降りてくるMachu(松倉海斗さん)。自信に満ちた瞳に吸い込まれそうになる。ここはさながら、ブロードウェイミュージカル… パフォーマンスしてる時の松倉さんってめちゃめちゃ目を引くしオーラが半端ない。スターになるべくしてなる人だな…としみじみ。

 

 

4. 夢のHollywood


宮近さんの「我々がお送りする史上最高のエンターテイメントをご堪能あれ」かっこよすぎる。本当に「史上最高のエンターテイメント」だし、自分たちのパフォーマンスに誇りを持ってくれていることが嬉しい。

 

いつ聴いてもイントロで爆上がりする。夢ハリはファンになる前から聴いたことはあったけど、YouTubeにアップされているJr.祭りしか知らなかったため、AGTのMy Dreamy Hollywoodや今回の夢ハリを見てこんなにかっこいい曲だったのかと再確認。(もちろん今ちゃんと見るとJr.祭りの頃もとてもかっこいいのですが)

 

そして、ステッキやタップダンスが似合うボーイズグループって希少だな、と改めて。タップダンスは坂本昌行さんのソロくらいしか見たことがなかったので7人みんなできるのすごい。ハピグルにつながるピアノ、如恵留さんと元太さんのトークに癒される。後の君だけにでも思うけど伸びやかな二人の声が重なるとドキッとする。

 

 

5.Happy Groovy  ( Jazz ver. )


JAZZ ver. 7人の声がクリアに聴こえて好き。おしゃれでハッピーな曲。

 

JUST DANCE!もそうだけど、トラジャの楽曲やエンターテイメントはジェンダーレスやエイジレスに楽しもうという気持ちが感じられるし、そういった幅広い層、一人一人の「あなた」のためにあるものなんだという感覚に安心する。これは如恵留さんのお言葉を借りると「誰も取り残さない」「バリアフリー」に近いことなんだろうし、簡単なことではないけれどこういった要素が前に出てくるような彼らのエンターテイメントを見続けていたいな、なんて思ったり。

 

「Hey you guys」と歌ってくれてありがとう。

 


6. Swing My Way


これぞTravis Japanの真骨頂!!Sing Sing Sing 好きな人は絶対見て聴いてほしいし、ジャズテイストをこんなに綺麗にできてしまうアイドルグループがいるんだ…!?となった。あまりに美しい映像。

 

ハットに黒シャツ赤ベロアパンツというシンプルでタイトな装いがとにかく似合っていて、繊細で美しい所作がよりクリアになった。

 

これ!と固まりすぎずにさまざまな音楽の可能性を追求するグループが個人的な好みではあるのですが、Travis Japanと言えばジャズ/ショーテイストが強みだと思うし、誰かに一曲おすすめできるならこれを見せると思う。これは絶対世界に知られなきゃなやつだ…… と思っていたら、なんとYouTubeにアップされているのでみんな見ましょう。

 

 

 

 

〈 ACT2 : Electronics 〉

 

7. FIRE!!! [ 北山宏光 & 藤ヶ谷太輔 / Kis-My-Ft2 cover ]( 中村海人宮近海斗 )

 

セトリの中では比較的黄色い歓声が上がる系統の曲!なのかな…?Wカイト(中村海人さん、宮近海斗さん)のお二人に似合っている曲調だし、かなり好きな音でした。

 

歌詞や全体の雰囲気は正直not for meではあるのですが、個人的に中村海人さんのダイナミックな踊り方が好きなので見入ってしまった。

 

 

8. PINEAPPLE [ V6 cover ]


6年ほど前からV6のファンで、ラストツアーにも参加しているのですが、PINEAPPLEは演出も歌もダンスも特に印象に残っている曲。思い入れのある楽曲だったので、まず選曲してくれた事実が嬉しかった。閑也さんありがとう〜〜。そして、トラジャはどのように表現してくれるのか…!

 

まず、遠距離の関係性を歌っているのでトラジャとファンの境遇にも近かったのかと新発見…!そして、歌詞世界を表現することと、サウンドを一つひとつ拾ってダンスパフォーマンスに繋げることを、こんなにも一つのステージで両立できるのだと感銘を受けた。V6は割としっとりしつつ、秘めた感情を放出させるような大人のパフォーマンスだったように感じていたけど、トラジャは積極的に音も拾いながら全体の印象としてはスタイリッシュにまとめ上げた印象。

 

PINEAPPLEはinstrumentalもかっこいいと思っていたけど、トラジャのダンスと掛け合わせられると一気に至高の作品に。最後の音の繋げ方もオリジナルにはないので、新鮮でかっこよかった。如恵留さんの多才さにびっくりする。

 


7. GET A LIVE × Lock Lock 〜Lock A LIVE〜


マッシュアップ大好きなオタクなのでデビューコンでやってくれるというだけで、今後も含めてグループへの期待値がグッと高まった!これからきっと個性豊かな楽曲が増えていく中で、また新たな音楽の可能性に出会えたらいいな〜!

 

GET A LIVEのギラつきとLock Lockのノリノリダンスナンバーがいい感じの化学反応を起こしている。元々どちらも激しめの曲なので運動量がすごいことになってるのですが、あんなに踊りながらあんなに歌えるのは何故……!?

 

 

8. Unique Tigers


ロッコならぬトラッコかわいい。ずっとかっちりめ衣装だったのでゆるっとしたパーカーは一気に柔らかさがアップする。

 

自己紹介曲があるグループを応援するの初めてなので嬉しい!みんなのニックネームがかわいくて覚えやすい!つい声に出して呼びたくなる音。

 

オースティンツアーのUnique Tigersを好きになってすぐにリピートしていたので つい当時の呼び方が頭によぎるのですが、メンバーも同じみたいでにっこりした。

 

Sweet Tiger SHIME(七五三掛さん)があまりにSweet Tigerだし、フード被ってにっこにこするSHIZU(閑也さん)可愛すぎるし、MACHU(松倉さん)パートが相変わらず好き。初めて聴いた時これだけで松倉担になりかけた。キリッとした表情からにこにこするの何〜〜

 

「温めるから 寄り添うから 愛を注ぐから」のワードチョイス、とてもトラジャらしくて聴くたびに幸せになる。

 


9. Dance With Me〜Lesson1〜


好きになる前から一番聴いていた曲だったので、ファンになってから改めて新たなパフォーマンスを見ることができて謎に感慨深い。いい曲。

 

閑也さんのウィンクを浴びた。7人みんな楽しそうでハッピー空間すぎる。宮近さんの「みんなで踊れて楽しいね」!?!? 何そのまろやかな笑顔…

 

 

10. Take it! Make it!


V6 Darling ばりの言葉遊びがかわいらしい曲。

 

七五三掛さんの特大エアハグがしっかり収められていてギャ!となりました。そしてしめまちゅコンビのかわいさは本当になんなんですか… にこにこしてしまう… 目合わせてるちゃかまちゅも…

 

あとYouTubeで見た時よりも歌めちゃめちゃ上手くなっててすごい。

 

 

〈 ACT3  : Japanesque 〉

 

World of Dance予選のパフォーマンス一部


このダンスとても好きだったので、改めて見ることができてアガりました…!Japanesqueの始まりに合う。布の多い衣装が似合う振り?長めの裾が舞っているの良い。ACT3の白虎衣装がいちばん好きかもしれない。

 

 

11. VOLCANO


初めて聴いた時はそこまでJapanesque要素を感じる曲ではなかったので、元太さんが奏でる和太鼓の音色や他のアレンジが加わったことで、こんな可能性があったのかとわくわくした。しかも元太さん一回踊ってまた太鼓叩いてる(驚愕)。太鼓の音だけで踊るシーン、息を揃えるの難しいだろうにシンクロすごい。

 

 

12. Namidaの結晶


このパフォーマンス(とWOD)を見てNamidaの結晶という曲がさらに好きになった。演出もそうだけど、リリース当時から積み重ねてきた彼らの経験があって楽曲に深みが増したのかなと思うと、今これを受け取ることができて嬉しいな、噛み締めたいなと思う。

 

きっと彼らにとっても思い入れのある曲であり、揺らぎ蠢く感情がある一方で、毅然とした様子でテーマに落とし込まれているパフォーマンスが印象的。寄木細工?万華鏡?のような襖が開いていくのもかっこいい。

 

13. Never My Love[ Association・A.B.C-Z cover ]


実はNever My Loveという曲の存在をここで初めて知りました。正直この曲の歴史的な部分をさらに知って"今"聴くと複雑な気持ちになる部分はあるのですが、音楽としてめちゃめちゃ好きな曲。

 

こんな世界観の表現が可能なんだ、とびっくりした。そして、と〜〜〜〜〜〜〜っても歌が上手。歌い出し如恵留さんの声、ぞくっとするくらい綺麗。いや、ここまでの曲の歌唱からもあんなに踊りながらこのクオリティーで歌ってるの凄すぎる……とは思っていたけれど、動き控えめで伸びやかな曲を歌うと歌声の良さがまたしっかりと伝わってきて改めて驚かされました。ユニゾンもあたたみと厚みがあって大好き。

 

トラジャのこと、ダンスがすごいグループだとは認識してたけど、こんなに歌も魅力的だなんて知らなかった。ずっと聴き続けていたいハーモニーで、リアルにリピートしまくっている。


14. 君だけに[ 少年隊 cover ]( 川島如恵留松田元太 )

 

この曲ではてブロ1本書くのは余裕なくらいの衝撃を受けて、さまざまな感情や考えが渋滞しています。

 

まず、男性アイドル同士のパフォーマンスにスキンシップが含まれる場合、その一部は本人たちの意図に関わらずファンの中でBL的消費をされてきた歴史があると思います。そして、それは現実を生きる同性愛者を想定したクィアな表現ということではなく、あくまでファンタジーから抜け出さないシスヘテロ規範/(場合によっては)ホモフォビアを下地としたものも少なくなかったのではないかと考えています。

 

前置きが長くなってしまいました。今回の「君だけに」も男性アイドル二人が大衆的ラブソングとして扱われてきた楽曲を歌っているのは事実なのですが、個人的には川島如恵留さんと松田元太さんの「君だけに」はこのような、ファンの願望に応える形としてのBL的消費"ではない"と感じました。


ここからはあくまで私個人が二人の表現から感じ取ったことであり、何なら如恵留さんが今後明かしてくれるかもしれない裏テーマには全く関係ないかもしれません。少なくとも如恵留さんが仰っていた表テーマ「織姫と彦星のような」にはかすってもいません。そして、もちろん二人のセクシュアリティや関係性を憶測で語るつもりも全くございませんし、してはならないことです。

 

ただ、こういった受け取り方もできるような表現をしてくれたこと自体に大きな意味があると思い、書き進めていきたいと思います。それくらい、いち男性アイドルである如恵留さんと元太さんが「異性愛規範」だけではなく、"男性は強くあるべき"という「マッチョイズム=伝統的な男らしさ」(や「恋愛至上主義」)からの脱却ともとれる表現を実践してくれたことにいい意味で衝撃を受けています。

 

のえパラ(summer paradise 2020で行われた川島如恵留さんのソロ公演)で歌われたSexy Zone名脇役」が仮に「同性に好意を抱く男性の苦しみ〈恋愛感情〉」(※同性愛は必ずしも苦しむもの、ましてやその過程が美しいということではなく)だとすれば、君だけには「男性同士のケア(弱さの開示と受容)」なのではないか、そう読み取ることも可能なのかもしれないと思いました。

 

他の誰でもない元太さんとパフォーマンスをしたいと如恵留さんからオファーをしたという話を聞き、「元太さんが如恵留さんの殻を破った」というこちらのエピソードを思い浮かべていました。

 

 

「アイドルって親近感とか、どこか心くすぐられる部分があるから好きになるんだと思っていて。僕には一個もないから。自信ないんですよね。仕事も勉強も一番になろうと思って頑張ったけど、中途半端だったから。だから、怖くて」と、不安を吐露。

 

自信がないからこそ、“完ぺきでかっこいい川島如恵留”を作り上げ、「作り込んだ自分を見てほしい」と思う一方で、「(その鎧を)はがしてきたのがメンバーだから、めっちゃ感謝しています」と、メンバーのおかげで素を出せるようになってきたと、感謝の思いを語った。

 

【演出との照合】
まず、この曲は二人揃ってワンコーラス歌った後、
ステージ下段に如恵留さん、上段に元太さんという、二人が離れた状態から始まるのですが、上段の映像では夜空に浮かぶ月、そして元太さんの動きに合わせて足元で水しぶきが上がります。つまり、元太さんの足元である上段のステージ床が地上と海の境目に当たり、如恵留さんがいるステージ下段は海の中と考えることもできます。海の中で苦しい表情で歌い続ける如恵留さんのもとに曲の途中で降りてくる元太さん。

 

(今回は歌われていない部分の歌詞なので関係ないのですが「君だけに ただ 君だけに ah 届く悲しみを 連れて 僕は今 星くずのように 君に降りてく」という歌詞も合っているなぁ、なんて思ったりしていました)

 

元太さんが如恵留さんのところに降りた後、お互いが向かい合ってバッと互いこボタンを取って衣装を開く演出があるのですが、あの場においての衣装は「心の壁」や「鎧」を意味しているのかなと。如恵留さんは元太さんのボタンを片手で外しますが、元太さんは両手を使って如恵留さんのボタンを外します。元太さんが如恵留さんの心の内を知ることは、如恵留さんから元太さんに対してのそれよりも容易ではないことだったのかなと。

 

その後は二人ともステージ上段に行き、ラストでは元太さんが如恵留さんを後ろから抱きしめ、二人の姿は月明かりをバックにシルエットとなり曲は終わります。互いの服をはだけさせることも、ラストで元太さんが後ろから如恵留さんを抱いているような構図、そこで自分を抱く元太さんの手を大切そうに握り返しどこか柔らかく安心した表情でいる如恵留さんも、私にはセクシャルな意味合いよりも「心の内や弱さを開示すること/受け入れること」「そのコミュニケーションから生まれる安心」を感じました。ただただファンに喜んでもらうための触れ合いではなく、こうした「意味」があって「必要」な演出なんだろうと。

 

(これは余談ですが、個人的に「ファンを喜ばせる」目的が透けて見えたり、脈略のない露出が苦手なので、このようにある種合理的に見える露出?には救われている部分があります。きっと、ファンのみんながみんな、肌見せを望んではないし、何よりも本人の意思が尊重されてほしい。ただ、これにはファンの常態化した欲望的まなざしも関わっていると思うので、構造自体を考えていかなければならないところではあるのですが…)

 

もちろんこれらを踏まえたとしても、同性への恋愛感情という要素がゼロとは断言できませんが、少なくとも既存のただ一つの関係性に当てはめるのも少し違うのかなと…。強いて言うならばブラザーフッドなのかな?

 

そもそも「君だけに」の歌詞を改めて見てみると、例えば名脇役よりもさらに多様な読み解き方が可能な歌詞であるように感じました。使われている言葉そのものは「一途な愛」ではありますが、他者を大切に想う気持ちはそのすべてが恋愛に分類される訳ではないですし。私は今回のパフォーマンスを見て、ラブソングを用いてnot恋愛である同性二人の親密性を描くことも可能なのかもしれない、勝手にラブソングの可能性を見くびっていたのかもしれないとすら思いました。

 

繰り返しますがここまでの私の言葉はすべて個人的な考察でしかないです。でも、もし、このような二人の関係性が今回の演出に少しでも関わっているのならば、この関係性や過程をファンに向けて開示してもいいかな、パフォーマンスとして昇華しようと少なからず思ってくれたことが、嬉しいなと思うのです。

 

何故なら、この二人の間で起こっていたことやそれによりそれぞれに起こった変化は二人の中だけで大切にされていてもおかしくないから。(私はグループのアイドルを推しているとメンバー同士の関係性が気になってしまうタイプなのですが、深読みや憶測で一方的に彼らの関わりをカテゴライズして消費していないかとたまに考えます)


ましてや、「作り込んだ自分を見てほしかった」と言っていた如恵留さんが自ら元太さんにオファーをして実現した今回の「君だけに」。どちらかと言えば今までは他者に見せてこなかった「柔らかい」部分を見せてくれたのかもしれないと思うと、それが可能な演者とファンの関係性であることもまた当たり前ではなく。受け取る側を信頼してくれているからこそ成立する一種のクィアリーディングのようにも思えて、これはすごいことをしてくれているのではないかと。「君だけに」というクラシックラブソングで、このような実践をしてくれたことにある種の希望を感じています。


ストーリーや演出に意識が持っていかれがちですが、そこにひたすら観客を集中させるだけのさらっとした高いダンススキルと歌唱力、表現力を併せ持つ二人。如恵留さんの動きは何度見ても良い意味でどうなっているのか分からないし、それと並行してあの伸びやかな歌声が可能なの… 元太さんはまっすぐで切なさを帯びた瞳が印象的。改めてこの二人が創り出す湿度高めの空気感が好き。海の青と月の白の対比が織りなす美しき作品でした。

 

 

〈 ACT4 : Street 〉


15. LET'S MUSIC [ Sexy Zone cover ]( 七五三掛龍也・松倉海斗 )


しっとりとした『JAPONESQUE』の空気をアメリカンな『STREET』に一転させる七五三掛さんと松倉さん(しめまちゅ)のポップでキュートでエネルギッシュなコンビ。二人の髪色が超そっくりでかわいらしい。自分が絵描けたら描いてたと思う。終始ピースフルな空気が流れている。

 

それにしても、おしゃれでかっこいい曲だな〜と思っていたらセクゾの曲なんですね!ここ数年のセクゾの音楽性かなり面白いなと思っていたので妙に納得。LAと日本で物理的距離が離れていたファンと心をつなぐためのツールの一つが「音楽」だったと思うので、そんな音楽の力を伝えるようなメッセージがこもった歌を選曲してくれたことも嬉しい。

 

 

16. Turn Up The Vibe


何気にトラジャオリジナル曲ではなかったテイストなのかな?色とりどりのブルゾンと全体的にオーバーサイズに仕上げたストリートスタイルの衣装。流れるように見せながら細かい音を拾っていく屋良さんの振り付けが楽しいし、いい意味で力の抜けた身体の使い方がクセになる。

 

こういうダンスにはこういった衣装が似合うなぁと。ダンス詳しくないですが!Swing My Wayのようなジャズテイストとは対比的なステージで彼らの振り幅を改めて知った。YouTubeあるので振り幅、いつでも感じられますね。

 

 


17. 上を向いて歩こう坂本九 cover ]


ダンスナンバーのTurn Up The Vibeとは打って変わり歌唱に集中するシンプルさ。途中からスクリーンには渡米中の生活が映し出される。Never My Love同様歌唱力が際立つけど、スキルフルなだけではなく歌そのものを大切に噛み締めるように、メンバーによっては何か情景を思い浮かべながら歌う姿が印象的。ここからWorld of Dance メドレーにつながるのいいなぁ。

 


18. World of Dance メドレー


異国の地で身一つで勝負してきた彼らのパフォーマンスが、今度は自分たちのファンが集まる場所で。こんなにすごい人たちを応援してたんだなと再認識する。

 

基本的には歴代のグループ持ち曲(inst)のメドレー形式だけど、曲を知らなくても充分に楽しめちゃう構成やクオリティーに仕上がっている。1秒たりとも飽きさせない。これを踊る閑也さんが見れて嬉しい。Together Nowパートの舞い方好き。ストリートスタイルの衣装×扇子のコラボレーションが破茶滅茶にかっこいい。

 

 

19. JUST DANCE!


ダンスメドレー終わりにアカペラでワンコーラス歌うの何気なく聴いていたけど、あの運動量でしっとり歌い上げるの簡単じゃないですよね…

 

メンバー同士見合う表情がとっても優しい。前半のJUST DANCE!が比較的純粋にフラットに楽曲を届けているように感じるのに対して、渡米やそれまでの長いJr.期間を経てチャンスを掴み取ったTravis Japnが大切に歌い踊る「デビュー曲」という色合いを強く感じる。

 

海外で客観的な(数字の)評価を手に入れた彼らが今伝えるメッセージが「It don't matter where you from Or who you are Just dance」「どこから来ても誰であっても関係ない。ただ踊ろう。」なの、めちゃめちゃかっこいい。

 

 

20. BIG BANG BOY


アンコールと思えないパフォーマンスの完成度。7人で階段降りてくるのかっこよすぎ。声量すごいし、みんなめっちゃさらっとムーンウォークするじゃん… 

 

 

21. DRIVIN' ME CRAZY


こちらも今回のツアーで初披露の新曲。さらっと披露してポップに歌い上げているけどめっちゃかっこいい。特定の振りがある部分がほぼなく、ステージ上で"わちゃわちゃ"する姿が逆に新鮮。

 

兄組と呼ばれる方々の兄感を感じる。中村さんも元太さんも宮近さんに対するまなざしが愛で溢れている。元太さん、顔立ちはしっかりめなのに速攻で閑也さんに飛び乗りに行く時のお顔見て「最年少だ…」と実感。如恵留さんの肩辺りで特大笑顔してる松倉さんかわいすぎる。寝っ転がってラップするアイドル初めて見たけど、なんで中村さんはあんな似合うんですかね?

 

 

22. Together Now


日本語詞メイン且つメッセージ性の強い曲なのでダイレクトに感情が伝わってくる。メロディが狡い。涙腺を刺激する。笑顔が眩しくて優しい。なんでこの人たちはこんなにやさしい瞳なんだろうと思う。

このツアーに限らずだけど歌詞の手話を織り交ぜる如恵留さん素晴らしい。

 

ここ数年のJr.を見ていると複数のオリジナル曲をもらったり、単独ツアーを行ったり、デビューしなくても活躍の場はあるように感じる。しかし、いくら表に出る機会があっても、次に繋げられるかどうか、5年後10年後に同じメンバーでステージに立ち続けられるかどうか、その保証はつねにぐらついた不安定なものなのかもしれないと思う。「たしかなモノなんてない」と歌い続けてきた彼らがまずは一つ、この7人で活動を続けられる保証として「デビュー」という大きなものを手に入れることができてよかった。どうかこの場所や歌声がやさしく守られますように。

 

ファンのみんなの歌声を噛み締めるように聴く宮近さん、歌い終わった後に映る閑也さん、七五三掛さん、元太さんの顔がそれぞれやさしくて泣きそうになった。会場にいたら泣いてる。(他にもこの歌詞はさまざまな境遇に重ねて考えることもできると思いますが、今回はデビューコンサートなのでデビューに関して)

 

THE SHOW によせて


ここまで余すことなく伝わるデビューコンサートはそうそうないのではないかと思うくらい、SHOWとはこういった場所や時間のことを言うんだと思うくらい、美しい構成が THE SHOW でした。

 

語れば語るほどツアー参加したかったな、という気持ちも生まれるのですが、どのみち体調の関係で難しかっただろうし、このように愛のこもった映像作品を手に取れることが幸せです。次は絶対会いたいけれど、デビューコンサートツアーの円盤なんて大切すぎますからね。いつからでも遅くない!!出会う前にはもう帰れない!!!

 

(とはいえ、各々の場所から気持ちを飛ばしているファンも沢山いると思うので、配信もあったら嬉しいな〜。配信はコロナ禍から活発になったけど、エンタメ業界で今後も続いてほしい取り組みです。コスト諸々現実では難しい部分もあるだろうけど…!国外の方にも、予定を合わせることが難しい方にも、身体が不自由な方も、持病で現地参加に不安がある方も、遠方で経済面から諦めざるを得ない方も、みんなTravis Japanのパフォーマンスに触れてもらいたい…!)

 

 

 

なぜ Travis Japan に惹かれたのか


ここからは私がTravis Japanを好きになった理由や経緯をお話します。


簡単に自己紹介↓
・2017年からV6ファン(三宅担)
・物心ついた頃からアイドルが好き、V6を好きになるまでは女性アイドルばかりでしたが。
ジェンダーセクシュアリティに関心があります。

 

 

Travis Japanの引力

 

生活をしていると知らず知らずのうちに感度は少しずつ鈍くなり、ときめきで心を揺さぶられることすらだんだん少なくなっている気がして悲しくなる。それでも弾んだ心をどうにかして守りたくて、そんなところに現れてくれたのがTravis Japanでした。

 

自分のキャパシティや体調の関係もあり、何かを見てすごいなーと思っても流してしまうことが増えてきたことがなんだか悔しくて、そんな日々の中でも彼らにはまるで引力のように惹きつけられました。

 

そんなことで悩んでないで前向こうぜー!みたいな前の向かせ方が苦手で、トラジャのことも勝手なイメージでその類なんだろうと思い込んでいて、特段深く知ろうともしていませんでした。

 

強いて言うのならば、数年前にDance With Me〜Lesson1〜のパフォーマンスをYouTubeで見た時の率直な感想は「曲好き!このジャンルのアイドル珍しいから面白いしファンがいるのも分かる!でも、自分にこの空気は明るすぎる」でした。(夢見がちな割にはすぐ現実がちらついて、表面上は楽しんでいても心は比較的スンとなってしまいやすい面倒なタイプ)

 

しかし、3ヶ月前に再会した彼らはその「明るすぎる=だから自分には合わない、わたしのための音楽ではない」を超えてきたのです。これは感覚的なもので上手く言語化できないのですが、ちゃんとわたし(たち)のための音楽/エンターテイメントだという実感がありました。内向的か外交的か、いかなるジェンダーアイデンティティでも年齢でも、どこに住む誰であっても共に楽しむことを想定されている気がしました。これってすごいことだと思います。

 

 

3rd SG「Candy Kiss」はポップテイストな"ラブソング"で、女性とペアを組ませるような演出も考えられるところを「エイリアンをも惹きつけるTravis Japanの魅力」を前面に出すクィアネスが感じられてとてもよい。

 

一言で言えば「周囲を巻き込む力」「インクルーシブなグループであること」元来トラジャの強みであったであろうこの部分が、私が見ていない数年の間に相当強化されたのだと思います。

 

よく「嫌なことや悲しいこと、忘れるくらい楽しませるよ!」というメッセージを耳にします。アイドル業界においても長年多くの歌やステージに込められてきたものだと思います。とはいえ、メンタルヘルスに不調を抱えているような自分にとってその言葉自体はあまり大きな効力を持っていませんでしたし、特段そういったことを目的としてアイドルを応援してきた訳でもありませんでした。(ただでさえ気を抜けばこちらが一方的に消費してしまうアイドルに、そこまでを委ねてしまうことも怖かった)

 

しかし、そんな私でもTravis Japanのパフォーマンスを受け取っている時はひたすら「楽しい」の感情に徹することができている、ということに気がつきました。デビューコンサートもそうです。彼ら自身がダイレクトにこちらの心に干渉して元気を与えるというよりかは、7人があんなにも楽しそうに踊るもんだから。世界のどこかではこんなに楽しい、素晴らしいことが起こっているんだということを知って。捨てたもんじゃないな、見続けたいなと。こっちまで気づいたら楽しくなって、踊れもしないのに身体を動かしたくなるくらい。他に考える余地を与えないくらい、何度見ても新鮮に「楽しい」という感情が一番にきていました。

 

こちら側が集中して楽しめるだけのダンス/歌唱スキル、そして他者を尊重し合うメンバー同士の関係性がすべてのベースにあるのだと思います。実際私が本格的にファンになるまでの流れは+81 DANCE STUDIO →虎tube(トラジャのデビュー前後のバラエティ動画)・デビュー後楽曲でしたが、バラエティ動画で見た7人はこちらが勝手に想像していたよりも控えめで、他者の痛みに敏感で、素直で、相手を思いやる言葉が飛び交うようなグループであるように感じました。あんなにエネルギッシュなパフォーマンスをする彼らがどちらかと言うと控えめな人の集まりだったことは意外だったのですが、だからこそ潜在的な感情たちがパフォーマンスとして昇華されている可能性もあるなと思ったり… 興味深い。

 

+81 DANCE STUDIOはお話したいことが沢山あるので、また別の機会に書きたいな〜なんて思ってます。

 

謎に深夜に思い立って見た「Monster」がすべてのはじまり。感傷的な表現をするアイドルに見入ってしまう。

 

 

そこから顔と名前を一致させるために見始めた「サクラ咲け」と「HONEY BEAT」でしたが、これがすごい。これぞ引力でした。しかもこの2本って渡米前後の作品なんですよね… LAでの+81にHONEY BEATを選んでくれてとても嬉しい。初めて買ったCDは5×10という嵐ど真ん中世代でもあるので、サクラ咲けもだいすきです。

 

 

 

 


バリアフリーであること

 

「強くなくていいから」

 

ここで少し、デビューコンサートに戻って本編や初日ダイジェストの如恵留さんの言葉に触れさせていただきたい。特に印象的な言葉を抜粋させてもらいます。

 

本編収録の挨拶
「辛くなったらTravis Japanがいつでもそばに居るってことを忘れないでください。大変なことがあったらTravis Japanと一緒に乗り切ろうって、Travis Japanとだったら信じてついていけんじゃんって、そう思ってもらえるようなアイドルでずっと居たいと思うから。」

 

初日挨拶
「良いことがあっても悪いことがあっても辛いことがあっても、この日を待ってるから今日まで頑張って生きようかなとか、もしかして思ってくれたかもしれないなって。(中略)僕たちもみんなも生きてるから今日この会場で会えてるんだなって。だから強くなくていいから、また次会える時まで一生懸命生きようって、次を楽しみに今日の思い出を胸にまた会えるんだって約束をずっとずっとし続けていきたいなって思います。」

 

如恵留さんはブログなどでもそうなのですが、「(実にさまざな理由で)強く生きることが難しい人」に向けた言葉を発してくれる人だなと感じています。それはつまり、如恵留さんが想定する「ファン」として自分のような人間も想定されている、ないことにされていないと思えるのです。「生きて会おう」だけでも嬉しいのですが「強くなくていいから」という言葉に心が軽くなる人は少なくないのではないかと思います。


もちろん、アイドルが日常の辛さを根源的に取り除いてくれるなんてことはないし、救う/救われる、崇める/崇められるといった関係性にも私自身はあまり興味はないです。それでも、如恵留さんが言ったように「Travis Japanと会える日」を楽しみにしたり、明日も明後日もその先もずっと彼らのパフォーマンスを見続けたい、次はどんな彼らに出逢えるのかなと思うだけで、確実に日々は彩りを増しました。Travis Japanに出会って好きになれたことで、そんな自分すらいいじゃん!と好きになれたり、Travis Japanを好きでいる時間を現在進行形で愛おしく思っている自分がいる。如恵留さんの言葉を通して、改めて気づかせてもらいました。

 

 

字幕のこと / Travis Japan における川島如恵留さん

 

Travis Japan Debut Concert 2023 THE SHOW 〜ただいま、おかえり〜 」のDVD/Blu-rayの本編映像には日本語字幕がついています。私自身は現時点で聴者ですが、字幕があるコンテンツではほぼ毎回字幕をつけるほどのヘビーユーザーです。歌詞を見ながら音楽を聴きたいタイプだし、ライブの音響だと一音一音が聴こえにくいこともあるので。MCは尚更!

 

また、海外のファンにとってもライブを楽しむ一つの手助けになる可能性はあると思います。もちろん、複数言語あるいは英語字幕を付けることが理想的ではありますが、少なくとも字幕無しよりは日本語字幕があった方が、日本語勉強中の海外ファンにとってもメリットが大きいのではないかと思いますし、第一歩としてとても重要な取り組みではないかなと。

 

そして、今回の字幕は如恵留さんがスタッフに個人的に提案をしてくれたものであるようで、実現までの過程を考えるとより感謝が募ります。発売記念インスタライブでは、如恵留さん本人の口から「スタッフさんめっちゃ頑張ってくれて。(MCや煽りでは声の聞き分けや言葉を正確に文字に起こすことも難しい中で)すごい時間かけてやってもらったので」と話されていました。

 

ひとつのケースとして、V6では三宅健さんの提案で2015年のツアーDVDから本編・特典映像共に日本語字幕が付いているのですが、デビュー1年目の如恵留さんがそれだけ時間のかかる作業を個人的に提案することにはまた違った重みがあるのかもしれない、とも感じます。

 

こうやって一つひとつ障壁を取り除いていく作業はすべて当たり前ではなく、(アイドル自身に限らない)誰かの小さな声から始まるのかもしれないと改め感じましたし、私自身も丁寧に受け取って考えていきたいなと思いました。

 

(ここからは少し如恵留さん個人のお話になります)

未だに異性愛規範やジェンダー規範が根強い世界に身を置きながら、さまざまな「当たり前」を疑い、考え続け、なるべく多くの人と共にエンターテイメントを楽しむために手をとろうとしてくれて、つなぐための扉を開けてくれて、あらゆる方向に愛を持って世界をまなざしてくれる彼がTravis Japanにいてくれることが心から嬉しいです。

 

彼が巡らせてくれた考えはきっと、セーフティーで心地の良い空間づくりにつながりますし、その想いがメンバー間・グループ全体として共有されていけばさらなるプラスな変化もあり得るのではないかなと思います。少なくともわたしがTravis Japanに惹かれた理由はスキルはもちろんですが、こういった バリアフリー/インクルーシブを目指す空気感も大きいです。(これらは決して簡単な事ではないですし、「常にいかなる時でも自分の方や全方位に向き合ってほしい」ということでもありません。ファンとの関係性やエンターテイメントのあり方について、より善くなるために考え、試み、実践してくれる。そのような根底にある思考の過程や行為そのものを、まず尊敬しています。如恵留さんに限らず、メンバー全員に当てはまることですが。)

 

ただ、このような想いがある一方で、ここに示したような側面だけではない複雑で多様な魅力も、如恵留さんにはあると思います。彼がさまざまなものをかけて手に入れた「多芸多才・頭脳派アイドル」という一つの肩書き。誰でも手にできる訳ではない彼だからこそ築くことができた今のポジョンではありますが、一人のファンとしてそれらの要素を(本人から積極的な意思表示がない限り)求め過ぎたくないな、とも思ったりもします。

 

ここで少し三宅健さんの話をします。字幕のこともそうなのですが、三宅さんはグループ内では「ファン想い」「積極的にこちらの気持ちに耳を傾けてくれる」というイメージが特に強いメンバーであったと思われます。三宅さん個人のラジオには、ファンからV6に関わる要望や意見がしばしば送られており、中にはマイナスともとれる内容のものもありました。

 

そんな中、ある時三宅さんは(きっと満を持して)「私はカスタマーセンターじゃないんですよ」と発言しています。私はこの発言があった当時ファンではなかったのですが、大なり小なりファンがアイドルを「カスタマーセンター」的に扱ってしまうことは往々にしてあるものだと感じているので、アイドルを応援する上で三宅さんの言葉は常に頭の片隅にあります。

 

如恵留さんもさまざまな側面からグループのイメージを良い方向へと導いてくれるメンバーだと思うのですが、一方で彼個人が「諸問題解決のアイコン/窓口」的存在になってしまうようなことは慎重に考えていきたいなと思っています。これは自戒です。


( 三宅さんは、2年前の解散発表後には「今回に限りカスタマーセンターになります」とも言っているので、本人がパブリックな場で参考として意見を求めている場合はまた違いますが…!ちなみに、如恵留さんと同じように三宅さんも「メンバー兼ファン」のようなグループ愛の強さを裏付けるエピソードがあります。)

 

 

おわりに

 

今回は如恵留さんにフィーチャーしましたが、Travis Japanはメンバー7人それぞれ違ったやさしさを持つグループだと思います。その辺りについてもまた書きたいな…(書きたいことが多すぎる)

 

宮近海斗さん、中村海人さん、七五三掛龍也さん、川島如恵留さん、吉澤閑也さん、松田元太さん、松倉海斗さん。一人ひとりがこのグループにいてくれることが嬉しいです。

 

これからも自分の生活や日々の中で、時に葛藤しながら、考えを巡らせながら、その時間すらも愛してTravis Japanに出会い続けていきたい。ときめきを、胸の高鳴りを、やさしさを、教えてくれてありがとう。ステージに立つことを選び続けてくれてありがとう。これから彼らのいる場所が愛と優しさであふれ、日々を健やかに過ごせるよう願っています。その上に成り立つ夢や景色を、共に楽しみたいです。

 

そしてここまで読んでくださった方がもしいらっしゃいましたら、本当にありがとうございます。
長文乱文失礼いたしました。

 

あなたも、わたしも、健やかであたたかい日々を過ごせますように